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ガーデニング初心者向け肥料の基礎知識「有機肥料」

ガーデニング初心者向け肥料の基礎知識「有機肥料」
動物や植物に由来する肥料が有機肥料です。チッ素、リン酸、カリウムなどの栄養分を豊富に含む、自然の有機物を原料とした肥料になります。こでは有機肥料のうち、油かす、骨粉、魚粉、草木灰の4つについて、特徴をまとめてみましょう。
(前回のガーデニング初心者向け肥料の基礎知識「肥料の種類」はこちら

「油かす」とは
植物の種や大豆などから油を取った後に残る油かすは、チッ素の成分が多く含まれる有機質肥料の一種です。

油かすは地中に住む微生物が分解し、雨などによってカビや菌が繁殖し、発酵が進みます。植物が必要とする肥料の三要素を吸収しやすくなるまで、少なくとも数週間程度は待つ必要があります。

即効性はありませんが、長い期間をかけて土の中に蓄積されることで、ふかふかのよい土ができあがり、植物は病気にかかりにくく元気に成長してくれるのです。

また、肥料の三要素だけでなく植物には16の必須元素が必要とされ、油かすはそれらを補ってくれます。

市販されている油かすは効き目が遅いものがほとんどで、元肥や追肥として利用するのが一般的です。

すでに発酵させて販売されている油かすもあります。発酵していない油かすの欠点となるガスの発生や効果の遅さなどを避けたいなら、完熟発酵のものをおすすめします。

「骨粉」とは
野菜や花を育てる時の有機肥料としてよく使われている骨粉とは、一般的に鶏や豚の骨を砕いて蒸し、脂肪とゼラチン質を除いた蒸製骨粉のことを指します。

以前は牛が主に使われていましたがBSE(牛海綿状脳症)が問題になって以降は少なくなっています。

特徴としてはゆっくりと効果が現れて、その効果が長続きするという点です。成分としてはカリウムが0%、チッ素が4%程度、リン酸が18〜22%程度含まれるので、優れたリン酸肥料ということになります。

根から吸収されるので根の発育促進、花芽の形成や果実を多く実らせることに効果を発揮します。

使い方としては元肥に混ぜ込んで使用します。効果が出るまで一ヶ月ほどかかるので追肥としては向きません。堆肥と混ぜて使用すれば微生物が活発になり早く効果が表れます。

化学肥料に比べ速効面は劣りますが、有機肥料を使うと野菜や果実がおいしくなると言われているので安心して使用できます。

「魚粉」とは
魚粉は、イワシやマグロ、カツオなどの魚を乾燥させて粉末状にした有機肥料です。フィッシュミールや魚粕とも呼ばれています。

チッ素とリン酸を多く含んでおり、果物や野菜の栽培に最適な肥料です。魚粉を肥料として使用すると、アミノ酸の効果により果菜や野菜の甘味が増して、味がよくなると言われています。また、水はけをよくする土壌改良効果もあります。

他の有機肥料と比較して分解されやすいため、速効性があるのが特徴です。そのため元肥としてだけでなく、栽培期間の長い野菜の追肥としても利用できます。

元肥として使用する場合も、追肥として使用する場合も、表面に撒いたままにしておくと、鳥や動物、虫の餌となってしまいます。そのため、元肥の場合はあらかじめ土に混ぜて、追肥の場合は根の延びる先に穴や溝を掘って施し、上から土を被せて使用します。

「草木灰」とは
草木灰は藁や落ち葉、枯れ草等を燃やしてできる灰のことです。簡単に自作可能な肥料として、日本では平安時代には草木を野焼きした草木灰を堆肥として利用した記録が残っています。現在では化学肥料の普及や原料となる藁不足から使用量は減っていますが、有機農法が広がるなかで見直されている肥料です。

草木灰の主な成分は石灰、リン酸、カリウムで、石灰が多いことから土をアルカリ性に傾ける効果があります。カリウムは水に溶けやすく、速効性のある肥料の一つです。果実や球根を太らせる効果、防虫効果が期待できます。

農地や田んぼの畦などでたき火、野焼きすることで自作も可能ですが、個人でのたき火、野焼きを禁止している地域もあります。地域のルールでたき火ができない場合は、むやみに自作せず市販の草木灰を入手しましょう。

代表的な有機肥料について
ガーデニングの肥料としてよく知られているのが油かすです。実から油を搾り取った後に残るものでチッ素が多く含まれています。元肥や追肥として使われます。骨粉は鶏や豚の骨を原料として作られた、優れたリン酸肥料です。元肥に混ぜて使われます。
魚粉はイワシなどの魚を乾燥させ粉末状にしたものです。即効性があり元肥や追肥として使われます。草木灰は藁、落ち葉等を燃やして灰にしたものです。即効性があり、土をアルカリ性に向ける効果がある肥料です。
同じ有機肥料でもそれぞれの特徴は異なります。植物を育てるにあたり、何を目的に、どういうタイミングで肥料を与えたいのかを考え、適切な有機肥料を選ぶようにしましょう。

2019年7月28日 | エクステリアコラム