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昨日、一昨日と花壇におすすめのお花をご紹介しました(※)が、見て楽しむお花だけでなく、食べて楽しむお野菜も育てられると楽しいですよね。
ここでは家庭菜園で育てられるおすすめ野菜と、栽培上の注意点などについて紹介していきます。
※秋の花壇作りにおすすめの花(その1)はこちら。
※秋の花壇作りにおすすめの花(その2)はこちら。
家庭菜園におすすめの「水菜」
水菜は家庭菜園でも栽培しやすい野菜です。京野菜の代表格であるため「京菜」とも呼ばれる水菜は、水と土があればプランターでも簡単に育てられるので、家庭菜園に適しています。
-5℃まで寒さに耐えられ、基本的に一年中育てることが可能な野菜ですが、暑すぎると成長が止まってしまうなど、栽培の難易度が上がります。従って3~5月頃または9~10月頃に種をまいて育てるのが理想です。旬が冬の野菜なので、寒い地域にお住まいでなければ、その時期に収穫期が来る秋まきにすることをおすすめします。
種まき時期以外では水菜は害虫に弱いため、虫害に気を付けることが大事です。種をまいたら防虫ネットをかぶせることで防ぐことができます。また、風通しのよい場所に置くのも虫除け対策には有効です。これで病気予防にもなります。
成育に水がたくさんいる野菜なので、乾燥に気をつけ、たっぷり水をあげるようにしてください。
家庭菜園におすすめの「ピーマン」
ピーマンは栄養価も高く、いろいろな料理で使うことができる野菜です。果肉が厚く真夏でも成長しやすい翠玉二号、少し甘みがあり、小さいうちに収穫しても美味しいとんがりパワーなどの品種があります。
ピーマンは、5~6月に植え付けをすれば10月頃まで収穫が楽しめます。プランターは野菜用の深めのものを用意します。土は野菜用の培養土で十分です。水はけが良く、肥料が少し多めに入っているものがベストです。支柱は主枝と他二本の側枝用に、計3本用意します。
成長してきたら花が咲き始めます。しかし苗がしっかり根付くように、一番花は摘んでください。成長してくると、アブラムシやカメムシなどがつくことがあります。これらの虫がつかないよう、毎日よく観察することも大事です。
収穫する時はハサミを使います。重みで枝を折ることもあるので、完熟したら半分以上は収穫してしまいましょう。
家庭菜園におすすめの「キュウリ」
キュウリは病気になりやすいので、家庭菜園で育てる場合耐病性のある品種を選びましょう。病気が悪化すると株全体が枯れてしまうので品種選びは大事です。
キュウリは節成りタイプや飛び節成りタイプがあります。節成りタイプはすべての節に雌花がつき、早くたくさん収穫することが可能です。
飛び節成りタイプは飛び飛びの節に雌花がつき、長い間収穫することができるのが特徴です。
キュウリは5月上旬から6月中旬に植えて7月ごろに収穫します。用意するものは深めのプランター、安全で品質のよい土、支柱などです。
育て方は苗を植え、土が乾かないようにこまめに水をやり、防寒対策もします。株をしっかりと作り整枝や葉かきをします。病害虫がいないかチェックし、病気にならないよう注意を払って下さい。
家庭菜園におすすめの「ジャガイモ」
ジャガイモの栽培時期は春と秋があります。植えた後にイモが出てこないように何回か土寄せをしましょう。
ジャガイモは初期育成が大切であり、バランスのよい肥料を使いましょう。用意するものは深めのプランター、排水用の穴を空けた培養土の袋、石灰を入れていない畑などがあります。
病害虫の対策をする必要があります。特に暖かい時期は害虫に荒らされやすいので、殺虫剤をまいて、そうか病や疫病に注意しましょう。花が咲いたら栄養が奪われるので摘むようにします。
春に植えたジャガイモの場合は6月頃が収穫時期です。品種や天候によっても違いますが葉がほとんど黄色くなった頃が収穫時期です。雨天の時は腐りやすいので晴天の時に収穫するようにします。収穫した後はすぐに食べるか冷暗所に保存して下さい。
家庭菜園におすすめの野菜
家庭菜園でおすすめの野菜のうち、水菜は秋まきがおすすめで水をたっぷりあげるのがポイントです。また害虫に弱いので防虫ネットをかける必要があります。
ピーマンを育てる場合はアブラムシなどの虫がつかないようにすることが大事です。完熟したら半分以上を収穫し、枝が折れないようにしなければなりません。
キュウリを家庭菜園で始める場合、病気になりにくい品種を選ぶ必要があります。こまめに水をやり、整枝や葉かきをする必要があります。
ジャガイモは暖かくなると害虫に荒らされやすいので注意しなければなりません。収穫は晴れた日にすることを忘れないようにして下さい。いずれの野菜も注意点さえ守れば、それほど育てるのに難しい野菜ではありません。どのような料理に使うのかも楽しみにしながら大事に育ててみましょう。
追記
「家庭菜園におすすめの野菜(その2)」では、トマト・なす・小松菜・枝豆についてご紹介しています。併せてご覧ください。
前回の「秋の花壇作りにおすすめの花(その1)」に引き続き、秋の花壇におすすめのお花をご紹介します!
寒い冬がやってくる前の花壇に色彩感を与えてくれるのが秋に咲く花です。ここでは名前もよく知られているシクラメンを始め、知名度は低くても花は見たこともあるというプリムラ、オキザリス、アリッサムについて取り上げてみます。
シクラメン
花言葉は「はにかみ」など
シクラメンは地中海地方が原産で、多年草の球根植物です。草丈は10~25cmで、開花期は10~3月と比較的長いのが特徴です。花の色は白、ピンク、赤、紫などがありますが、花の縁だけに色がついた珍しいタイプもあります。
葉はハート型をしており周囲に細かなギザギザがあります。球根から花茎を伸ばし、その先に一輪の花を咲かせます。
涼しい時期に開花期がやってくるので、冬でも花が楽しめます。
ガーデンシクラメンは-5℃ほどの寒波にも耐えられる強さがあります。逆に蒸し暑い日本の夏が苦手で、この時期は休眠期となります。
土は清潔で水はけがよい用土にします。肥料は1~2週間に一度、薄めた液肥を与えれば十分です。
葉や花に水が残ると傷むので、水を与える時には注意が必要です。また枯れた葉や花はこまめに摘み取ることも大事になります。
プリムラ
花言葉は「青春のはじまりと悲しみ」「青春の恋」など
プリムラはサクラソウ科サクラソウ属の多年草又は一年草の植物で、元はヨーロッパからアジアにかけて自生していました。日本では園芸用で外国産のものをプリムラと呼んでいます。
品種にもよりますが開花時期は初秋から春先にかけてで、赤、ピンク、白、黄、青、紫など豊富な色の花をたくさん咲かせます。
種から育てる方法と、苗で購入し育てる方法がありますが、初心者なら苗で購入して育てるのがおすすめです。なお種から育てるのなら種まき時期が5~6月となっています。
苗で購入したらなるべく早く植え替える必要があります。土は水もちのよいものが適しており、花壇に植える場合20cmほど掘り返し、根くずや石を取り除きます。そこに3割ほどの腐葉土をすき込んでやります。
購入後に昼間は戸外で寒風の当たらない場所に置き、夜間は室内に置くと気候条件に順化し、冬を越せるプリムラとなります。
オキザリス
花言葉は「けっしてあなたを捨てません」「輝く心」など
オキザリスはカタバミ科カタバミ属の一年草や多年草の総称です。草丈は5~30cmのものが多く、黄、白、ピンク、紫などの花を10月から5月にかけて咲かせます。
オキザリスの花は雨天や夜間には閉じており、日中の日ざしを受けると盃状に大きく開くのが特徴です。満開のとき、株を覆うように咲く様子が非常に見応えがあり、人目を引きます。
オキザリスは乾燥に強くめったなことでは枯れませんが、生育期、開花期には、極端に乾かさないよう気をつけましょう。なお休眠中は乾燥していても問題ありません。
日本の環境にも合っており、狭いスペースでも元気に育つので秋のガーデニングにはおすすめです。開花期も長く、初心者でも育てやすい花です。
アリッサム
花言葉は「美しさを超えた価値」「奥ゆかしい美しさ」「優美」「飛躍」など
アリッサムはアブラナ科アレチナズナ属の多年草で、日本では「にわなずな」とも呼ばれています。寒さに強く栽培も比較的簡単なため、園芸用として人気を集めています。
草丈は10cm前後で、白、ピンク、紫、黄などの小花がたくさん咲き、花束のような感じもします。10月ごろから4月ごろまでが開花期となっています。
まず種付けの時期におすすめなのは春か秋の暖かい日です。栽培環境としては日当たりや風通しのよい場所が望ましく、土については水はけのよいものが推奨されます。
アリッサムは乾燥を好むため、水のやりすぎに注意しましょう。肥料は植え付け時に元肥を混ぜておけば十分です。
同じアブラナ科の仲間としてスイートアリッサムという品種もありますが、これはアリッサムとは別種になります。
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前回に引き続き、秋の花壇におすすめのお花をご紹介しましたが、お気にいりのお花は見つかりましたか?
少し気が早いようですが、あっという間に夏も終わってしまうかと思いますので、今からゆっくり秋の花壇のプランを暖めてみてくださいね!
次回は、少し趣向を変えて、家庭菜園におすすめの野菜についてご紹介します。
(やっぱり、食べられるものは嬉しいですよね)
暑い夏が終わり季節の変わり目を過ぎると、咲いている花で秋がやってきたのを感じることがあります。ここでは秋の花壇をにぎわせてくれる花のうち、パンジー、マーガレット、コスモス、キンモクセイについて、特徴や育て方のポイントをご紹介します。
まだ、夏はこれから本番ですが、今から秋の花壇のプランを考えてみてはいかがでしょうか?
パンジー
「もの思い」「私を思って」など
パンジーはスミレ科スミレ属の花で、草丈は10~30cm程度の小型の園芸植物です。開花期は10月下旬から5月中旬までの間で、赤、ピンク、黄、オレンジなどカラーバリエーション豊富な花を咲かせます。
寒さには強いので、寒冷地以外では露地でも越冬が可能です。ただ暑さには弱い花であると言えます。
水は乾いたらたっぷりとあげるようにしましょう。肥料は花が咲いている間、あげ過ぎに気をつけ定期的に追肥します。
葉がいつまでも乾かないと、灰色かび病になることがあります。特に冬場の水やりは午前中に行い、葉が長時間濡れないように気をつけて下さい。
また暖かくなり、苗が弱り気味の状況だとアブラムシがつきやすくなります。花がらをまめに摘んだり、葉っぱが密集してきたら少しすいたりするようにします。
マーガレット
「真実の愛」「信頼」「恋占い」など
マーガレットはカナリア諸島原産のキク科モクシュンギク属の多年草です。草丈は30~100cmで開花期は11~5月になります。開花期が長く、白、ピンク、赤、黄などの色の花を咲かせます。
高温多湿や寒さという日本の気候に弱く、もともとは温室での栽培が中心でした。しかし5~11月は日当たりのよい屋外でも栽培できるようになりました。ただ梅雨の季節は雨が当たりすぎない場所で育てるのがおすすめです。
花壇では寒風が当たらない日当たりのよい場所に植えます。水はけに問題があれば、土を盛ったり、腐葉土などをすき込んだりします。
土の表面が乾いたらたっぷり水を与えますが、夏場は乾き気味がよく、花が咲いたら水がかからないようにすることも大事です。
春と秋に置き肥として緩効性肥料を施し、11~4月は液体肥料に変えるようにします。
コスモス
「調和」「乙女の純真」など
コスモスはキク科コスモス属の一年草で、和名が秋桜となっているように秋を中心に花を咲かせます。
メキシコの原産で、草丈は50~120cmが一般的ですが、中には2mを超すものもあります。花の中央は黄色で、ピンク、赤、白などの花びらが取り囲みます。
環境さえ合えばすぐに自生するため、季節がやってくると全国でコスモスの花を見ます。初心者でも育てやすく、開花期も長い花です。
春から初夏にかけて種をまき、夏から秋にかけて花が咲きます。日当たりと水はけさえよければ、少々やせた土地でも育てることができます。
ただ花壇などで育てる場合、茎が長く伸びてきたら支柱で支えることが大事です。放っておくと倒れてしまい、見栄えが悪くなります。
なお寒さには弱いので、日本では秋までの花になります。
キンモクセイ
「謙虚」「気高い人」「真実」など
キンモクセイはモクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹です。中国南部が原産で、日本には江戸時代に入ってきました。多くの都道府県・市区町村の自治体の花に指定されているほど、日本では知名度の高い樹木です。
開花期は9月中旬~10月下旬でオレンジ色の小さな花をたくさん咲かせます。一番の特徴は花が放つ特有の芳香です。花よりも先に、香りで秋がやってきたことに気付きます。
雄株と雌株に分かれており、雄株のめしべは形だけで実はできません。キンモクセイの果実を見たことがある方は少ないでしょうが、これは植えられているのがほとんど雄株だからです。
木の高さは3~6mで、観賞用として公園や庭先に植えられているのをよく見ます。
湿り気があり肥よくな壌土質の土を好みます。夏は水切れにならないように注意することが大事です。2~3月に寒肥として有機肥料を中心に施します。
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お気に入りのお花は見つかりましたか?
これらの花はいずれもよく知られた花ばかりで、特別育てるのに難しさはありませんので、ぜひいろいろ楽しんでみてくださいね。
次回も、秋の花壇におすすめのお花をご紹介する予定です。
(追記:秋の花壇作りにおすすめの花(その2)はこちら)
昨日、協力業者さんと弊社スタッフが一堂に会し「決起集会」を開催いたしました。
信頼のおける協力業者さん、職人さんの確かな技術によって、お客様に質の高い、本物のお庭をご提供することができます。
京阪グリーンでは、社員・職人さん、関係者全てのベクトルを合わせ、レベルアップしていくため、定期的に会合を開き、よりよい現場づくりを目指しており、今回の集会は、皆のコミュニケーションを図り、よりよい組織づくりのため、開催いたしました。
この記事を書いている私は昨年暮れに入社し、今回、初めて参加させていただきましたが、職人さんたちの気さくな人柄、日々の仕事について語る中ににじむ熱い思いやプロ意識を直接感じ、創業41年で培われてきた「チーム力」を実感しました。
動物や植物に由来する肥料が有機肥料です。チッ素、リン酸、カリウムなどの栄養分を豊富に含む、自然の有機物を原料とした肥料になります。こでは有機肥料のうち、油かす、骨粉、魚粉、草木灰の4つについて、特徴をまとめてみましょう。
(前回のガーデニング初心者向け肥料の基礎知識「肥料の種類」はこちら)
「油かす」とは
植物の種や大豆などから油を取った後に残る油かすは、チッ素の成分が多く含まれる有機質肥料の一種です。
油かすは地中に住む微生物が分解し、雨などによってカビや菌が繁殖し、発酵が進みます。植物が必要とする肥料の三要素を吸収しやすくなるまで、少なくとも数週間程度は待つ必要があります。
即効性はありませんが、長い期間をかけて土の中に蓄積されることで、ふかふかのよい土ができあがり、植物は病気にかかりにくく元気に成長してくれるのです。
また、肥料の三要素だけでなく植物には16の必須元素が必要とされ、油かすはそれらを補ってくれます。
市販されている油かすは効き目が遅いものがほとんどで、元肥や追肥として利用するのが一般的です。
すでに発酵させて販売されている油かすもあります。発酵していない油かすの欠点となるガスの発生や効果の遅さなどを避けたいなら、完熟発酵のものをおすすめします。
「骨粉」とは
野菜や花を育てる時の有機肥料としてよく使われている骨粉とは、一般的に鶏や豚の骨を砕いて蒸し、脂肪とゼラチン質を除いた蒸製骨粉のことを指します。
以前は牛が主に使われていましたがBSE(牛海綿状脳症)が問題になって以降は少なくなっています。
特徴としてはゆっくりと効果が現れて、その効果が長続きするという点です。成分としてはカリウムが0%、チッ素が4%程度、リン酸が18〜22%程度含まれるので、優れたリン酸肥料ということになります。
根から吸収されるので根の発育促進、花芽の形成や果実を多く実らせることに効果を発揮します。
使い方としては元肥に混ぜ込んで使用します。効果が出るまで一ヶ月ほどかかるので追肥としては向きません。堆肥と混ぜて使用すれば微生物が活発になり早く効果が表れます。
化学肥料に比べ速効面は劣りますが、有機肥料を使うと野菜や果実がおいしくなると言われているので安心して使用できます。
「魚粉」とは
魚粉は、イワシやマグロ、カツオなどの魚を乾燥させて粉末状にした有機肥料です。フィッシュミールや魚粕とも呼ばれています。
チッ素とリン酸を多く含んでおり、果物や野菜の栽培に最適な肥料です。魚粉を肥料として使用すると、アミノ酸の効果により果菜や野菜の甘味が増して、味がよくなると言われています。また、水はけをよくする土壌改良効果もあります。
他の有機肥料と比較して分解されやすいため、速効性があるのが特徴です。そのため元肥としてだけでなく、栽培期間の長い野菜の追肥としても利用できます。
元肥として使用する場合も、追肥として使用する場合も、表面に撒いたままにしておくと、鳥や動物、虫の餌となってしまいます。そのため、元肥の場合はあらかじめ土に混ぜて、追肥の場合は根の延びる先に穴や溝を掘って施し、上から土を被せて使用します。
「草木灰」とは
草木灰は藁や落ち葉、枯れ草等を燃やしてできる灰のことです。簡単に自作可能な肥料として、日本では平安時代には草木を野焼きした草木灰を堆肥として利用した記録が残っています。現在では化学肥料の普及や原料となる藁不足から使用量は減っていますが、有機農法が広がるなかで見直されている肥料です。
草木灰の主な成分は石灰、リン酸、カリウムで、石灰が多いことから土をアルカリ性に傾ける効果があります。カリウムは水に溶けやすく、速効性のある肥料の一つです。果実や球根を太らせる効果、防虫効果が期待できます。
農地や田んぼの畦などでたき火、野焼きすることで自作も可能ですが、個人でのたき火、野焼きを禁止している地域もあります。地域のルールでたき火ができない場合は、むやみに自作せず市販の草木灰を入手しましょう。
代表的な有機肥料について
ガーデニングの肥料としてよく知られているのが油かすです。実から油を搾り取った後に残るものでチッ素が多く含まれています。元肥や追肥として使われます。骨粉は鶏や豚の骨を原料として作られた、優れたリン酸肥料です。元肥に混ぜて使われます。
魚粉はイワシなどの魚を乾燥させ粉末状にしたものです。即効性があり元肥や追肥として使われます。草木灰は藁、落ち葉等を燃やして灰にしたものです。即効性があり、土をアルカリ性に向ける効果がある肥料です。
同じ有機肥料でもそれぞれの特徴は異なります。植物を育てるにあたり、何を目的に、どういうタイミングで肥料を与えたいのかを考え、適切な有機肥料を選ぶようにしましょう。
動物が生きていくために餌が必要であるように、植物も餌となる肥料が必要です。肥料は一言で片づけることはできず、その原料の違い、使い方の違い、効き方の違いでいくつかに分類されます。肥料の三要素なども含め、肥料の基本についてご説明していきます。
肥料の「主な成分」
植物が育っていくうえで必要となる栄養素はたくさんあります。それらの栄養素の中で特に重要なのが肥料の三要素と呼ばれるチッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)です。
チッ素は植物体を形作るたんぱく質や、光合成をするのに必要な葉緑素などの構成元素として重要です。葉や茎の生育には欠かせないため葉肥(はごえ)と言われています。
リン酸は遺伝情報の伝達やたんぱく質の合成などに関与する核酸の構成成分として重要です。開花や結実を促すため実肥(みごえ)と言われています。リン酸は植物全体の生育、枝分かれ、根の成長などを促す働きも持っています。
カリウムは葉で作られた炭水化物を根に送り、根の発育を促すため根肥(ねごえ)と言われています。植物全体を丈夫にしてくれ、病気に対する抵抗力を高めてくれます。
肥料の「原料」の違い
肥料は原料の違いで有機肥料と化学肥料の二つに分けられます。有機肥料は植物に必要なチッ素、リン酸、カリウムなどの栄養分を含む、植物性や動物性の有機物を原料にした肥料です。
一方、化学肥料は鉱物などの無機物を原料とし、化学的な方法によって生成された肥料を指します。
有機肥料は土の中で微生物などよって分解され肥料として効果が現れます。時間がかかりますが土壌の微生物を豊富にします。
化学肥料は即効性があり調整がしやすく、また価格も安いといったメリットがあります。
デメリットには成分がすぐに土に溶け出し、効き目が強すぎて肥料焼けを起こすことがあげられますが、これを防ぐ「緩効性肥料」といったものもあります。
肥料の「使い方」の違い
植物を育てる際に、適切な肥料を適切な時期に使用することが大事です。
元肥とは、種や苗、苗木を植え付ける前に与える肥料のことです。一度土壌の中の微生物に分解されてから植物に吸収される有機物肥料や、施肥してから長期間にわたって効果が持続する緩効性肥料が使われます。
土の全面に蒔き、その後よく耕します。このとき、肥料が根に直接触れないようにすることが大事です。なお、元肥が最初から入っているような土を使用する場合は、元肥は不要です。
追肥とは、植物が生育していくうえで必要な養分を追加する際に与える肥料のことです。早急な効果が求められるため、即効性のある液体肥料や化学肥料を使用します。
種や苗、苗木を植え付けた後、元肥の効果が薄れてくるため追肥を使用しますが、植物によっては追肥の必要がないものもあります。また追肥は、植物が肥料を吸収しやすいように根の先端に施すことが大事です。
肥料の「効き方」の違い
肥料には効き方によって速効性、緩効性、遅効性の3つに分類することができます。
速効性肥料とは、短時間で効果が現れる肥料のことを指します。すぐに効果は出ますが持続時間が短いのがデメリットです。速効性肥料は限られた期間の追肥として利用されます。一般的に水に溶けやすいものや、薄めて使うものが速効性肥料にあたります。
緩効性肥料は、ゆっくり効く肥料で一定期間効果が持続します。肥料の成分が水にゆっくり溶けるため、植物に少しずつ効き肥料焼けを防ぐことができます。肥料の三要素であるチッ素、リン酸、カリウムが主な原料です。
緩効性肥料は、土の中の微生物の活動を抑えるよう薬品を加えた生物的安定性肥料、肥料成分が土に溶けるスピードを抑制した化学的緩効性肥料、肥料の粒をコーティングした物理的緩効性肥料の3つに分けられます。
遅効性肥料は、肥料をまいてもすぐには効果が現れない肥料を指します。微生物の分解活動により肥料成分が一気に溶け出すことがあります。従って元肥や追肥として利用されます。
まとめ
植物が必要とする要素には、葉肥と呼ばれるチッ素(N)、実肥と呼ばれるリン酸(P)、根肥と呼ばれるカリウム(K)の3つがあります。
原料の違いでは、動植物由来の有機肥料、鉱物などの無機物を原料とする化学肥料があります。使い方によって、植え付け前に与える元肥と生育する過程で追加的に与える追肥に分かれます。
さらに効き方では、短時間で効く速効性肥料、ゆっくりだが効果が長続きする緩効性肥料、すぐには効果が現れない遅効性肥料の3つに分かれます。
植物を育てるのは、土を耕し、種を蒔き、水をやればすむというように簡単なものではありません。植物の栄養となる肥料の種類に注意し、タイミングよく与えると植物は期待通りに育ってくれます。
次回は、有機肥料についてご紹介する予定です。
(追記:ガーデニング初心者向け肥料の基礎知識「有機肥料」はこちら)
赤レンガ倉庫内で食事をと、楽しみに足をのばしましたが…休館日でした😓
せっかくなんでウロウロ…
ガーデニングの土作りでは、基本用土がベースとなりますが、それで足りない部分を補うのが補助用土です。ここでは補助用土のいくつかをあげ、その特徴をご紹介します。
(前回のガーデニング初心者向け基礎知識「基本用土」編はこちら)
補助用土の「腐葉土」
お庭やベランダできれいな花を咲かせたり、美味しく食べられる野菜を作ったりするうえで、土作りは大切な作業になります。その土作りにおいて土壌の改善に役立つのが補助用土です。
その補助用土の一つに腐葉土と呼ばれる土があります。これは落ち葉や枯れ葉が分解して土壌になったものです。植物の成長に必要な栄養素をたくさん含んでおり、ガーデニングには欠かすことはできません。
腐葉土は黒っぽい色をしており、鼻に近づけると特有の臭いがします。基本的にはベースとなる基本用土に混ぜて使われます。
腐葉土を混ぜることで土の通気性、保水性、保肥性が改善され、土を柔らかくしてくれます。保温効果もある他、太陽光や冬の寒風を遮断する効果もあります。
補助用土の「ピートモス」
ピートモスは補助用土の一つで、寒冷な湿地帯で水苔やシダ、柳、アシなどが堆積して腐植化したものです。外観は腐葉土よりも細かい粉状をしており、乾燥している時には淡褐色の場合が多いです。
保水性に優れており土壌の水持ちや肥料持ちをよくしたい時に使います。
ピートモスをさらに発酵させると、より高い効果を発揮しますが、いったん乾燥してしまうと、吸水するまでに時間がかかってしまうので注意が必要です。
腐葉土と同じく有機物に富みますが、酸性が強いという特徴があります。そのため、土に混ぜて用土を酸性に傾けたい時に使用すると効果的です。
ピートモスの用途は育苗や、鉢土として主に用いられることが多いですが、湿地帯の植物や山野草との相性もよさもあります。さつきやつつじ、ブルーベリーなど、酸性の土壌を好む植物の栽培に適しています。
補助用土の「パーライト」
補助用土のうちのパーライトはガラス質の火山岩を高温で焼いて粉状にしたもので、多孔質の構造になっています。
黒曜石を原材料とした黒曜石パーライトは、空気が多く含まれた多孔質のものです。水はけが悪い場合の土壌改良材としてよく使われます。また普通の水をミネラル水に変える作用があるので、根腐れ防止効果もあります。
真珠岩を原材料としたものが真珠岩パーライトです。真珠岩は水分を多く含んでいるため、熱すると膨張して内部まで水が染み込む形状になります。そのため保水性を高める土壌改良材となります。
パーライトは1~2割の割合で配合して使用します。土との比重が異なるため、長年使っているとパーライトだけが浮き上がってきます。こうなるとパーライトの効果が薄れるので、しっかりと混ぜることが大事です。
補助用土の「バーミキュライト」
バーミキュライトは、園芸におけるさまざまなシーンで使われる土で、酸化アルミニウムなどが主な成分です。
特徴は、水や空気を通しやすいことです。酸素不足になってしまった土に加えることにより土の排水性が改善されます。
また、表面にたくさんの穴が開いているので保温性にも優れています。保温性が優れていることにより、真夏の環境でも暑さをしのぐことが可能になります。
こういった園芸に使う土は重いというイメージがあるかも知れませんが、バーミキュライトは通常の土の1/10以下の重さしかありません。そのため持ち運びがしやすいという特徴があります。
価格はメーカーなどによって違いますが、基本的には他の用土に比べると少し高めになります。
ガーデニングの基礎となる補助用土について
ガーデニングに使われる土は基本用土、補助用土と、それらをブレンドした培養土の3つに分かれます。ガーデニングに使われる土のベースは基本用土で、補助用土が通気性、保水性、保肥性などを高めるために混ぜられます。
腐葉土は栄養素をたくさん含む補助用土です。土を柔らかくするだけでなく、熱を遮断する効果もあります。ピートモスを混ぜると水持ちや肥料持ちがよくなります。
パーライトは水はけが悪い場合の土壌改良材としてよく使われます。また根腐れ防止効果もあります。バーミキュライトを混ぜると水や空気の通りがよくなり、排水性を改善します。
これら補助用土の基本となる効果を理解し、植える花や野菜に適した補助用土を活用してみましょう。
次回は、肥料についてご紹介する予定です。
(追記:ガーデニング初心者向け肥料の基礎知識「肥料の種類」はこちら)
打合せやご相談に来られるお客様をお迎えするのに、ウェルカムカードを置かせていただいています。
パソコンできれいにプリントアウトしたものでもよいのですが、おひとりおひとり、心を込めてお出迎えしたいと思い、少しだけ手を入れて、飛び出すカードにしています。
京阪「グリーン」なので、四つ葉のクローバーにしていたのですが、形は同じで色だけ変えて、ハイビスカスバージョンも作ってみました。
これからの暑い季節にはぴったり・・・だといいのですが。
あっという間に、また季節は変わって、秋になってしまうので、また秋バージョンも考えなければいけませんね。
お越しになられた際には、お持ち帰りも自由ですので、お庭づくりの思い出記録の1ページに加えていただければ嬉しいです。
ガーデニングを始める場合に、土作りはとっても大切なポイントです!
土に問題があると、せっかく植えた花や野菜も満足に育ちません。ここでは初心者向けに基本用土のいくつかをあげ、その特徴をご紹介したいと思います。
基本用土の「赤玉土」
ガーデニングに用いられる土は基本用土と補助用土が混ぜられたものです。基本用土には赤玉土、黒土、鹿沼土、日向土などがあり、それぞれに特徴があります。
その中の赤玉土は関東ローム層にある赤玉を乾燥させたものです。粒状で赤みを帯びているのが特徴で、粒の大きさにより大粒、中粒、小粒、極小粒などに分かれます。
通気性がよく、水はけと保水性のバランスに優れているのが特徴です。また肥料分が入っていないため、虫や菌が寄ってこないという利点があります。
大粒赤玉土は鉢やプランターで、底から土が出てこないようにするための鉢底土としても使用できます。中粒赤玉土や小粒赤玉土はプランターや鉢での栽培に適しています。極小粒赤玉土は盆栽の用土としてよく使われます。
ほとんどのケースで腐葉土と肥料を混ぜて使われますが、過度の栄養分が必要とならない挿し木で使う場合は赤玉土だけで使うのがおすすめです。
なお赤玉土は弱酸性を帯びているため、中性やアルカリ性の土を好むラベンダーなどを植える場合、石灰などを混ぜて酸性度を弱める必要があります。
基本用土の「黒土」
黒土は関東地方に広く分布している関東ローム層の表層にある土で、落ち葉や枯れ木などの有機物がたくさん含まれているため黒い色をしています。
黒ボクとも呼ばれ、太陽の熱を吸収して土壌を温めてくれます。鉢やプランターでの花や野菜の栽培に向いています。
粘りが少ないので固まりにくく、軽くて柔らかい土です。また水分をよく保持してくれます。
栄養分が少ないので、堆肥や腐葉土などを混ぜて使います。
最も基本的な配合は、黒土7:腐葉土3という配合で、水はけを重視する場合は黒土5:腐葉土3:川砂2という配合になります。
なお、もともと表層にあった土なので、雑菌や雑草の種が含まれていることがあります。そのため加熱処理をしてある黒土を使うのがおすすめです。
基本用土の「鹿沼土」
酸性度の高い土質を好む植物を育てるときに使われるのが鹿沼土です。鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される土で、火山性砂礫が風化した粒状をしています。関東ローム層の表面にある黒土の下の、奥深い所にある土です。
色はやや黄色がかっており、乾燥すると色が白くなってくるので、土中の水分の把握がしやすく扱いやすい土です。土の粒の表面に多くの穴があいている軽石質で、小さな穴に水や空気を保持してくれます。
深層にある土なので雑菌が少なく、病原菌の発生を制御する性質もあります。
基本用土の「日向土」
宮崎県南部を中心とする霧島系火山帯で採取される軽石があります。湿ったものをボラ土、乾燥したものを日向土と呼んでいます。
日向土はガーデニングで使用される基本用土の一つです。単体で使われるだけでなく、水はけ向上のための補助用土としても使われます。
土は長く使っていると粒子が細かくなり、その結果水はけが悪くなります。その点、日向土には硬さがあるため長年使っていても、粉砕され細かな粒子状になることはありません。表面にたくさんの穴が開いているため水はけがよく、空気や養分をその中に貯め込むこともできます。また購入したての物は肥料成分も無いため、虫や菌がおらず清潔です。
酸性雨が多く降ることから、日本で採れる日向土のpHは5~6で弱酸性になっています。そのため中性からアルカリ性の土を好む植物を育てる場合、石灰を少し混ぜ酸性の度合いを弱める必要があります。
ガーデニングの基礎となる基本用土について
園芸を始めるときには、育てたい植物に合う土壌を作ることが大切です。なかでも土壌のベースとなる基本用土は、ガーデニングを行う誰もが知っておかなければならない重要なポイントです。
基本用土のうち、赤玉土は通気性がよく、水はけと保水性の調和がとれた土です。黒土は軽くて柔らかく、水分をよく保持してくれます。
鹿沼土は表面に穴の開いた軽石状で、空気や水分をよく保持してくれます。日向土は、水はけがよく、空気や養分を土中に貯め込むことができる土です。
なお基本用土の種類によっては酸性を薄めたり、雑菌処理が必要であったりするものもあります。ガーデニングを始めるなら、これらの基本用土の知識をしっかり身に付け、花や野菜の栽培を楽しめるようにしましょう。
次回は、ベースとなる基本用土の足りない部分を補う「補助用土」についてご紹介する予定です。
(追記:ガーデニング初心者向け基礎知識「補助用土」編はこちら)